不動産ビッグデータとAIを活用する株式会社マーキュリーが発表した調査によると、関西エリアの中古マンション市場で、大阪・梅田周辺のタワーマンションが特に高い値上がり率を示しています。
2024年に流通した築20年以内の中古マンションを対象にした駅別ランキングで、中之島駅が平均値上がり率+135.6%(新築時価格の2.36倍)で1位となりました。
続いて四ツ橋駅、西梅田駅、大阪駅など、大阪・梅田周辺の駅が上位を占めています。
「この値上がりは何を示しているのか!?」そして、「大阪・梅田周辺のタワーマンションが買い時なのか!?」を今回は説明していきましょう!
新築タワーマンションの高価格が中古市場を牽引

大阪・梅田エリアでは、2024年に「グラングリーン大阪ザノースレジデンス」や「パークタワー大阪堂島浜」など、平均価格が1億円を超える新築タワーマンションが分譲されました。
これらの高価格新築物件が周辺の中古マンション市場にも影響を与え、特にタワーマンションの相場が大きく上昇しています。新築価格の上昇が中古価格を押し上げる構図が明確に見て取れます。
関西エリア全体での価格上昇傾向

ランキング上位50駅のうち、大阪府が32駅、京都府が11駅、兵庫県が5駅、滋賀県が2駅を占めており、全体の6割強が大阪府の駅となっています。
特に大阪・梅田周辺の価格高騰が周辺エリアに波及し、相場を引き上げていることが伺えます。また、京都市役所前駅や東山駅など、京都市内の駅も上位にランクインしており、関西エリア全体で中古マンション価格の上昇傾向が見られます。
大阪・梅田周辺のタワーマンション市場は今、買い時か!?
大阪・梅田周辺のタワーマンション市場は、「中長期目線では買い」だと感じます。
以下、4つの観点から解説しますね。
観点1:価格推移と市場サイクルから見る「今の位置」
この調査によると、中之島駅周辺のタワーマンションは新築時価格の2.36倍、+135.6%の値上がりを記録しています。これは明らかに価格高騰局面の「ピークに近い状態」といえます。
したがって、短期での転売益を狙うにはリスクが高まっている局面です。
ただし、大阪は再開発が進み、今後の都市成長ポテンシャルが大きいため、長期保有による資産形成を狙う投資には適した時期とも言えます。
観点2:流行と購買層の変化
現在、グラングリーン大阪や堂島浜エリアに代表される1億円超えのプレミアム物件が新築で人気を集めており、中古市場の相場まで押し上げています。
これは、富裕層やインバウンド投資家による終の住処や資産保全先としてのニーズが強まっている証拠です。
よって、今は「割安な中古タワマン」を見極めることで、プレミアム層の流入による波及効果を取り込むチャンスとも言えます。
観点3:金利動向と金融政策
今後の金融政策によっては、住宅ローン金利の上昇がタワマン市場の重しになる可能性があります。
一方で、大阪の高所得者層や外国人投資家は現金購入や高自己資金比率での取引が中心であり、金利影響は限定的という見方もあります。
そのため、金利上昇の影響を受けにくい富裕層投資家にとっては、周囲が慎重になる今こそ仕込みどきとも捉えられます。
観点4:供給バランスと需給動向
大阪市内では新築タワーマンションの供給は限定的で、需給バランスはタイトな状態が続いています。
今後3~5年で一部大型プロジェクトの供給はあるものの、都心好立地・駅近・ハイクオリティの物件は希少性を保つ見込みです。
このため、「選別眼を持って買う」ことが前提となりますが、中長期での価格下落リスクは相対的に小さいと見られます。
結論:短期転売は慎重に、長期保有は前向きに
大阪・梅田周辺のタワーマンション市場は、価格は高値圏ながら、供給不足と都市成長力に支えられた堅調な基盤を持っています。
したがって、「今は短期的な転売よりも、10年スパンでの資産保有・賃貸運用を見据えた戦略が有効なタイミング」と言えるでしょう。
大阪・梅田周辺のタワーマンション市場は、今後も注目すべきエリアとして、投資家や高所得者層にとって有望な選択肢となるでしょう。市場動向を注視しながら、戦略的な投資判断が求められます。