このコラムで伝いたいこと
①東京23区の築浅中古マンションが平均2億円を突破
②価格上昇はエリア・物件次第、「二極化」が進行中
③今後の投資は“短期狙い”より“長期保有”が有利な局面へ
2025年7〜9月期、株式会社マーキュリーが発表した「中古マンション価格動向」によると、東京23区の築5年以内のマンション平均価格が2億円を超えました。
価格上昇が続く都心部市場を、50〜60代の高所得層でタワーマンション投資を検討されている方に向け、わかりやすく整理します。
地域で差が広がる中古マンション価格
今回の調査によると、全国の主要都市で中古マンションの価格は、地域によってかなり差が出てきています。
たとえば、東京23区では平均で1億6,000万円を超え、前の3か月より約1,200万円も高くなりました。去年の同じ時期と比べると、5,000万円近く上がっています。大阪市でも同じような傾向が見られ、価格が着実に上昇しています。
一方で、名古屋市は少し様子が違い、前よりも価格が下がっていて、平均価格は約4,600万円。前年と比べてもほとんど変わっていません。横浜市や京都市などは地域によって差があり、横ばいか少し上昇という感じです。
このように、エリアによって「まだまだ上がっているところ」と「落ち着いてきたところ」に分かれつつある状況です。これは今後の投資戦略にも影響してくる大事なポイントです。
東京23区の中古マンション、なぜこれほど高いのか?
今、東京23区のマンション価格が大きく上がっています。特に人気があるのは、中央区・港区・千代田区・渋谷区など。これらの区では、売りに出されたマンションの中に「3億円を超えるような高級物件」が多く、その影響で平均価格も上がっています。
例えば、「築5年以内の物件」だけを見ると、平均価格がなんと2億円を超えています。これは、駅に近い・設備が充実している・眺めが良いといった“条件の良い高級マンション”が多く売りに出されたためです。
また、10年以上前に新築で売られたマンションが、今では価格が2倍〜3倍になっているケースも珍しくありません。これは、「築11〜15年」や「築16〜20年」のマンションでも、立地や建物の質が良ければ、今も高く売れるということを意味します。
要するに、東京の都心では、「古くても価値が落ちないマンション」がしっかりと存在していて、それが全体の相場を押し上げています。
ただし注意したいのは、すべての築浅物件が高く売れるわけではなく、あくまで条件の良い物件だけが、価格をリードしているということです。投資するなら、「ブランド・立地・築年数」にしっかり目を向けましょう。
地方都市でも人気エリアは高騰中
東京だけでなく、大阪・横浜・川崎といった都市でも価格が上がっています。ただし、どのエリアでも同じように上がっているわけではありません。
たとえば、横浜市では西区や中区のように「駅が近くて便利」「景色がいい」といった条件の良いエリアで、平均価格が1億円を超えているところもあります。また、大阪市では北区や中央区のタワーマンションが人気で、価格が新築時の2倍以上になっている例も出ています。
特に目立っているのが「タワーマンション」。これらのマンションは、駅から近くて利便性が高く、設備も豪華なため、価格の上昇をけん引しているのです。
一方、名古屋市では価格が少し下がっており、場所によっては売り時を慎重に見極める必要があります。つまり、「どこでもタワマンなら上がる」というわけではなく、エリアの魅力や将来性を見極める目がますます重要になってきています。
今の市場、どう動く?買い時と戦略の考え方
「今はマンションを買うべきか、それとも様子を見るべきか?」というのは、多くの投資家が気になるところです。
現在の東京23区では、価格がかなり高い水準にあるため、短期で利益を狙うにはリスクもあります。特に、港区や渋谷区のような人気エリアでは、すでに「いい物件は高くなりすぎている」状態とも言えます。
そのため、今は短期転売よりも、長く持って資産としてじっくり育てるスタンスが向いています。実際、「老後の住まい」や「資産の分散先」としてタワーマンションを購入する富裕層が増えてきています。
また、東京以外の都市を見てみると、今後再開発が予定されているエリアや、大型商業施設ができるエリアなどは、これから価値が上がる可能性があります。特に駅に近くて、通勤にも便利な場所は要注目です。
加えて、金利が少しずつ上がってきているため、ローンを組む際は無理をせず、借入額・金利タイプ・月々の支払い負担をしっかり考えることも大切です。
まとめ
今の中古マンション市場は、東京23区を中心に大きく動いています。特に、条件の良いタワーマンションは、価格も価値も高く評価されており、「持っているだけで資産になる」時代に入っています。
ただし、どこでも安心というわけではなく、エリア選びや物件の中身をしっかり見極める目が必要です。投資として考えるなら、今は焦って買うよりも、長期目線でじっくり選び、将来の出口(売却や賃貸)を考えて動くことが大切です。
自分のライフスタイルや目的に合った「本当に価値のある一戸」を見つけてください。
