2025年秋・タワーマンション投資の最新動向

青空に伸びるタワーマンション
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このコラムで伝えたいこと
①湾岸エリアを中心に価格が過去最高水準に到達
②2032年までに200棟超が竣工予定、供給減と価格高止まりが続く
③タワマン投資は低利回りゆえにキャピタルゲイン重視、コストや規制への配慮が必要

2025 年に入り、首都圏の価格高騰は続いており、転売規制など新しいルールも導入されています。

本稿では、最新の市場データを基に、『2025年秋・タワーマンション投資の最新動向』と題し、タワーマンション投資の魅力とリスクを分析します。

目次

1. 湾岸エリアを中心とした市況の現状

湾岸エリアはタワマン市場の先行指標といわれることも多く、2025 年 5 月までの成約価格は軒並み上昇しました。例えば以下のように、各エリアの坪単価は前月比でプラスを記録しています。

■各エリアの坪平均単価
豊洲:663万円(前月比+1.1%)
東雲:459万円(前月比+1.3%)
有明:540万円(前月比+1.5%)
晴海:672万円(前月比+1.2%)
勝どき・月島:853万円(前月比+1.6%)

湾岸エリアの平均成約坪単価は 666 万円で、過去最高水準です。

2024 年の「トランプショック」で一時的な停滞感がありましたが、2025 年 5 月以降は高額帯の成約が相次ぎ、市場の活気が戻っています。

在庫も「豊洲・勝どき」で減少傾向、「有明」で急増というようにエリアごとに動きが異なるため、物件を選ぶ際は個別データの確認が不可欠です。

2. 建設ラッシュと「億ション」市場の拡大

東京を中心にタワーマンションの建設ラッシュが続いており、「億ション」と呼ばれる1億円超の物件市場も拡大しています。2025 年 7 月時点で、2032 年頃までに 200 棟以上のタワマンが竣工予定とされています。

注目エリアとしては、月島・勝どき、品川駅周辺(高輪ゲートウェイ開業に伴う再開発)、渋谷・大崎などが挙げられます。

新築マンション価格は長期的に上昇傾向です。例えば 2024 年の首都圏の新築マンション平均価格は 7,820 万円(前年比 3.5%減だが 2020 年比約 30%増)で、東京 23 区に限ると 1 億 1,181 万円と高額です。

供給戸数は減少傾向にあり、需要の強さや建設コストの上昇が価格高止まりの背景にあります。

タワマン供給が限られる山手線内側では、2025 年 3 月に竣工した「プラウドタワー渋谷」が即日完売するなど希少性が高く、投資家からの人気も根強いです。

3. タワマン投資の利回りと戦略

タワーマンション投資の利回りは 実質 2〜3%と、一般的なマンション投資より低めです。その理由は以下のようなコスト負担にあります。

■タワーマンション投資の利回りが低いのは下記のコスト負担によるもの
月額の管理費:14,400~24,000円(専有面積80㎡の場合)
修繕積立金:100〜150円/㎡
固定資産税・都市計画税の負担
金利上昇局面では借入コストが利回りを上回るリスク

表面利回りでは 3〜4%でも、管理費や修繕積立金を差し引くと実質利回りは大きく圧縮されます。そのためタワマン投資は インカムゲインよりもキャピタルゲインを狙う長期戦略が主流です。

都心の優良物件は資産価値が落ちにくく、将来の売却益が期待できます。購入時には 立地条件と 将来の売却戦略を意識しておくことがポイントです。

4. リスク・規制と今後の注目点

2025 年 7 月に東京都千代田区が実施した「マンション転売規制」は、短期転売による価格高騰を抑制する目的で導入されました。これにより、タワーマンション市場に対する過熱感が一部で「バブル崩壊?」と報じられるなど、投資家心理に影響を与えています。規制内容としては、購入後一定期間の転売を制限し、住む目的のない投資買いを抑えるものです)。

また、湾岸エリアでは在庫が急増している有明のように、供給過剰が懸念される地域もあります。

一方で、勝どきや豊洲など人気エリアは在庫が減り価格も上昇しているため、投資物件選定にはエリアごとの需給バランスを見極めることが重要です。

5. 投資家向けアドバイス

立地重視で長期保有を検討

利回りが低いタワマン投資では立地と希少性が資産価値を支えます。都心部や再開発エリアの物件は将来的なキャピタルゲインが期待できます。

利回りは控えめに計算する

実質利回り 2〜3%を前提に、管理費や修繕積立金を含めた収支シミュレーションを行いましょう。

供給計画をチェック

2032 年までに 200 棟超のタワマンが建設される予定なので、供給過剰になるエリアかどうかを確認し、将来の競争力を考慮します。

規制動向に注意

千代田区の転売規制のように、自治体が投資用物件に対するルールを設けるケースが増えています。法規制の変化を随時チェックし、計画に反映させましょう。

出口戦略を描く

購入時から売却タイミングや目標価格を想定し、価格変動の兆候が見えたら動けるよう準備しておくことが大切です。

おわりに

タワーマンション市場は依然として注目度が高く、建設ラッシュと価格高騰が続いています。湾岸エリアを中心に高額帯の取引が増えていますが、利回りは低く、長期的な資産価値を見極めた投資戦略が求められます。規制や供給動向を注視しながら、魅力とリスクを理解して参入することが成功の鍵となるでしょう。

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