タワーマンションが空き家だらけと言われる理由を独自分析|結果あるエリアが浮上

タワーマンションが空き家だらけと言われる理由を独自分析!
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1997年の建築基準法改正以降にタワーマンション建設ラッシュがはじまり、タワーマンションが活発に建てられはじめてから2024年で27年目を迎えました。ちまたでは「タワーマンションは空き家だらけだ!」と言われていますが、なぜ空き家だらけになってしまったのでしょうか。本当にタワーマンションは空き家だらけになっているのか、タワマンマニア独自の考えを記しています。

目次

タワーマンションが空き家だらけになった主な要因

タワーマンションが空き家だらけになったのは、災害への不安、生活の中での不満があるからとよく言われますが、タワマンマニアはそう考えておりません。

なぜなら、地震などの災害への不安は日本に住んでいればどこでも一緒ですし、エレベーターの待ち時間が長いからといって引っ越す理由になるとは考えづらいほど、周辺の生活環境がよいからです。

では、なぜタワーマンションの空き家が目立っているのか、タワマンマニア独自の意見を述べていきます。

建設ラッシュ当時にタワーマンションを購入した人たちが居住地を変え始めた

今も昔もマイホームを購入する年齢は、20代後半~30,40代が主流であり、子どもが増えて家が手狭になってきたところでマイホームを購入する人が大半だと思います。建築基準法改正が行われ、次々とタワーマンションが建設された1997年頃、タワーマンションを購入した人は現在何歳になっているのでしょうか。

25歳で購入していれば52歳、35歳で購入していれば62歳、40歳で購入していれば67歳です。

今から27年前ですから、子どもは成人して実家を出ていたり、大学生活を満喫している頃でしょう。会社員の方は定年に向けて第2の人生を考えるターニングポイントであり、人によっては親の介護が出てくる時期です。

「子どもの教育のため」「利便性のため」と都心部にマイホームを構えていた人たちのライフステージが変わり、タワーマンションに住み続ける理由が少なくなったことで郊外や地元へ移り、空き家だらけになってしまったとタワマンマニアでは考えています。

大規模修繕費用の支払いを避けた

ライフステージがタワーマンションを手放した理由の他、費用面も理由だと考えています。

築15年、築30年を迎えるタワーマンションは修繕をしなければならず、特に築30年は修繕規模が大きく、給排水管や電気関係の設備全般といった費用のかかる部分の更新が必要です。

修繕に向けて修繕積立金が毎月積み立てられていますが、修繕費用が修繕積立金を上回ることが分かり引越しする人も一定数いると考えています。

インターネットが普及していますから、修繕積立金だけでは修繕がまかなえないことは世に明るみになっていますものね。

新築マンションは購買意欲を促すために修繕積立金を低く設定し、購入金額を抑えている場合が多く、将来修繕にかかる追加手出しが必要です。このような販売戦略を打ち出して販売されたマンションでは、修繕積立金が足りず手出しが発生しています。

手出しが発生するなら引っ越そうと考えるのは至極当然のような気もしますね。

人によってタワーマンションを引っ越す理由はさまざまですが、タワマンマニアでは「住民のライフステージの変化」と「費用面」が空き家の原因になっているのではないかと考えています。

エリアごとにタワーマンションの空き家具合は異なる

空き家になった理由は、住民のライフステージの変化と費用面とお伝えしましたが、タワーマンションの築年数も理由の1つになっているのではないかと考え、SUUMOの売却査定サイトで東京の「築年数×価格」を見てみました。※SUUMOのデータは2024年5月時点のものです。SUUMOで掲載された実績件数を元にしていますので、市場そのものと言えますすべてタワーマンションの情報とは限りません

すると、1億円超の物件では下記の特徴が見えてきました。

  • 築16年~20年までがダントツで売りに出されている
  • 次いで築11年~15年が売りに出されている

そして、タワマンマニアが気になったのが、エリアごとに売り物件の価格帯と築年数が異なることです。今回は港区、中央区、江東区を見てみたので、その結果をお伝えします。

港区

比較した3区の中でも圧倒的に1億円超の売り物件の多い港区ですが、売り物件件数と築年数の関係は下記の通りでした。

築年数一億円超 売り物件件数割合
30年超24710.6%
~30年632.7%
~25年28112.1%
~20年66328.6%
~15年29812.8%
~10年1627.0%
~8年2018.7%
~5年1094.7%
~3年1155.0%
~1年1827.8%
合計2,321100%
SUUMO 東京都港区の築年数×価格帯より

1位:築16年~20年(663件)

2位:築11年~15年(298件)

3位:築21年~25年(281件)

圧倒的に築16年~20年の売り物件が多く、ランク外にはなったものの築30年超の物件が247件と多かったのが港区の特徴です。

「タワーマンション空き家だらけ」と言われているのは港区のことなのかな?と思わせるほど、売り物件の件数が多かったのでした。

中央区

次に中央区の一億円超の売り物件件数を見ていきます。

築年数一億円超 売り物件件数割合
30年超242.7%
~30年283.1%
~25年717.9%
~20年11612.9%
~15年343.8%
~10年455.0%
~8年34938.9%
~5年859.5%
~3年303.3%
~1年11512.8%
合計897100%
SUUMO 東京都中央区の築年数×価格帯より

1位:築6年~8年(349件)

2位:築16年~20年(116件)

3位:築1年未満(115件)

港区の状況から打って変わって、売り物件件数がグッと少なくなります。売り物件の築年数は全体的に浅く、「築1年未満の売り物件」が「築16年~20年の売り物件」と同等であることから、再開発に注目して不動産投資用として買われていた方が手放されたのかもしれません。

江東区

江東区の1億円超の売り物件件数は下記の通りです。

築年数一億円超 売り物件件数割合
30年超40.8%
~30年20.4%
~25年173.5%
~20年11523.8%
~15年12024.8%
~10年479.7%
~8年4910.1%
~5年316.4%
~3年9319.2%
~1年61.2%
合計484100%
SUUMO 東京都江東区の築年数×価格帯より

1位:築11年~15年(120件)

2位:築16年~20年(115件)

3位:築2年~3年(93件)

1位から3位まで売り物件件数の差が少なく、安定した地域に思えます。

また、江東区の都市開発は2020年(2021年)の東京オリンピックを境に活発化し、2022年には江東区長期計画を発表しました。江東区の人口統計によると、総世帯数は年々増え、0歳~14歳までの年少人口においては2000年に底打ち、V字回復を見せる勢いある地域です。

タワーマンション空き家だらけと言われているのはきっと港区のことだろう

2000年前後に建てられた物件が現代になって空き家になっていることがSUUMOのデータで分かりました。特に港区は顕著に表れており、「タワーマンションは空き家だらけ」と言われているのは港区と予想されます。

タワーマンションの歴史は浅く、いつまで住み続けられるか分からないと言われています。それゆえ、築年数のある物件は嫌煙され、空き家になっているのでしょう。

本記事で紹介したSUUMOのデータはタワーマンション以外も含まれているものの、東京都の土地活用の観点から、タワーマンションが多くを建てられ、現在売りに出されていることは想像できるでしょう。

都内でも他のエリアを見渡せば、これからの発展を目指して都市計画を立てている地域もあります。タワーマンションは衰退するとメディアでは煽られていますが、すべての地域に当てはまるとは限らないので、しっかりと自分の目でデータを確かめるのが大事ですね。

参考:SUUMO
江東区 人口統計

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