「タワーマンションは地震で折れる?」最新耐震技術とリスク対策を徹底解説

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近年、都心部のタワーマンションは人気を集める一方で、「地震でタワーマンションは折れるのではないか?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。特に家族を守ることを最優先に考える方にとって、地震時のリスクは大きな関心事です。

本記事では、タワーマンションの耐震構造や実際の安全性、さらに地震対策について詳しく解説していきます。

目次

タワーマンションは地震で本当に「折れる」のか?

「タワーマンションが地震で折れる」といった噂が広まっていますが、それは本当なのでしょうか?このセクションでは、なぜそのような話が生まれたのか、そして実際のところどうなのかを解説します。

「折れる」と言われている理由

インターネットやSNSなどで、「タワーマンションが地震で折れる可能性がある」といった情報が散見されます。しかし、これはあくまで誤解です。このような噂が広まる背景には、以下のような要因があります。

高層階特有の揺れ
高層建築物は、地震の際に長周期地震動(ゆっくりとした大きな揺れ)を受けやすいため、「折れるのでは?」という不安を感じる人が多いです。しかし、実際にはこの揺れは建物の構造によって十分に吸収されます。

過去の地震の映像や写真
地震後に建物が損壊している映像や写真が報道されることが多く、それが「タワーマンションも折れる」という誤解を助長しています。しかし、こうした事例の多くは古い建物や耐震基準を満たしていない建築物です。

「折れる」という表現の誤解
「折れる」という表現は、実際には建物全体が破壊されるわけではなく、外壁の一部が損傷したり内装にひびが入ったりする程度のことを指している場合が多いです。

では、次にタワーマンションの地震対策について解説します。

タワーマンションの耐震構造

タワーマンションは、非常に高い耐震性能を持つように設計されています。その理由として、以下の3つの構造が挙げられます。

  1. 耐震構造
    建物そのものの強度を高め、地震の揺れに耐えられるように設計されています。柱や梁に頑丈な鉄骨を使用し、地震の際に建物が崩れないようになっています。
  2. 免震構造
    建物と基礎の間に免震装置を設けることで、地震の揺れを建物に伝わりにくくしています。これにより、地震によるダメージを大幅に軽減します。
  3. 制震構造
    建物内部に制震ダンパーを設置し、地震のエネルギーを吸収・分散することで、揺れを抑えます。この構造は特に高層階における長周期地震動に対して効果的です。

こうした構造を採用することにより、タワーマンションは地震に強い建物になっています。とはいえ、地震が起きたときのことを考えると不安は拭えないでしょう。そのため、次にタワーマンションの設計基準について説明していきます。

タワーマンションの耐震設計基準は安全なのか?

日本のタワーマンションは厳しい建築基準法に基づいて設計されています。本セクションでは、その安全性について詳しく見ていきましょう。

日本の厳しい建築基準法と耐震設計

日本は世界でも屈指の地震大国です。そのため、建物の耐震性には非常に厳しい基準が設けられています。特に2000年以降に改正された新耐震基準により、震度6強から7の地震にも耐えられるように設計されています。

さらに、タワーマンションは建物の高さや規模に応じて、より厳格な耐震設計が求められています。これにより、大地震が発生しても建物が倒壊するリスクは極めて低くなっています。

最新技術による地震対策

タワーマンションでは、以下のような最新の地震対策技術が導入されています。

  • チューンドマスダンパー(TMD)
  • アクティブ制震システム

チューンドマスダンパー(TMD)とアクティブ制震システムは、いずれも制震構造に使用される技術です。役割と仕組みについては下記をご参考ください。

チューンドマスダンパー(TMD)
建物の高層部に重り(質量体)を設置し、揺れの周期に合わせて重りを動かすことで、地震や風による揺れを抑える技術。

●仕組み
建物が揺れる方向とは逆に重りを動かすことで、揺れのエネルギーを相殺します。特に高層階で発生しやすい長周期地震動(ゆっくり大きく揺れる動き)を効果的に抑える効果がある。

●主な用途
高層建築物や橋梁などで使用され、風や地震の影響を軽減する。

アクティブ制震システム
センサーが揺れを感知し、コンピュータ制御で制震装置を動かして揺れを抑える技術。

●仕組み
建物に取り付けられたセンサーが地震や風の振動を感知。コンピュータが振動データを分析し、瞬時に対策を講じ、電動モーターや油圧装置で建物内部に取り付けられた制震ダンパーを作動させ、揺れを吸収・分散する。

●主な用途
揺れをリアルタイムで制御する必要がある超高層建築物や重要施設。

タワーマンションに住む際に知っておきたいリスクと対策

「タワーマンションは地震が来たら折れる」という話よりも知っておいてほしいのは、地震が起きたとき、タワーマンションには特有な危険リスクがあることです。事前に知識を入れ、誤った対応をしないようにしましょう。

タワーマンション特有のリスク

タワーマンションに住む上で知っておくべき地震の危険リスクについては以下の通りです。

エレベーターの停止
大地震が発生すると、エレベーターが自動的に停止し、安全なフロアで止まる設計になっています。高層階に住む場合、エレベーターが停止した際の対応策として、非常用階段の確認が重要です。
なお、エレベーターに閉じ込められる可能性は、大地震時にはゼロではありませんが、多くのエレベーターには地震時対策機能が備わっており、閉じ込めを防ぐ仕組みが採用されています。

長周期地震動による揺れ
タワーマンションの高層階では、地震時に揺れが増幅されやすい特性があります。家具家電が転倒・落下しないよう、しっかりと固定しておきましょう。

地震対策としての「非常用備蓄」のすすめ

家族の安全を守るため、タワーマンションに住む場合は非常用の備蓄を整えておくことが重要です。

  • 水・食料:最低でも3日分、できれば1週間分の備蓄を推奨
  • 携帯トイレ:エレベーター停止時や断水時の対策として
  • 防災グッズ:懐中電灯、電池、充電器、救急セットなどを用意しましょう

また、マンションの管理組合が行う防災訓練に積極的に参加し、万が一の際の対応方法を確認しておくことが大切です。

東京のタワーマンションでは、3日分~1週間分の水や食料を備蓄しているところもあります。しかし、管理会社に頼りきりにせず、自分たちでも用意しておくと、より安心です。

まとめ

タワーマンションは高度な耐震設計と最新の技術によって、地震時のリスクを最大限に抑える設計がなされています。地震で「折れる」ことはほぼ考えられないものの、事前の準備と備えが安心して暮らすためには欠かせません。

物件を選ぶ際には、耐震性能や地震対策がしっかりしているか確認し、家族の安全を第一に考えましょう。

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