マンション投資は大きなリターンをもたらす可能性を秘めていますが、大きなリターンをもたらせるのは適切な知識と戦略がある場合のみです。物件選びから入居者管理、資金計画まで、マンション投資には様々な要素が絡み、失敗する要因があちらこちらに広がっています。
では、どうすれば失敗を避け、マンション投資で成功できるのでしょうか。この記事では「マンション投資での失敗例」と「失敗を避けるための具体的なアドバイス」をご紹介します。
マンション投資の失敗例から対策とリスクを学ぶ
マンション投資で失敗した例を紹介します。失敗例から対策とマンション投資のリスクをしっかりと学びましょう。
マンション投資の失敗例と対策
マンション投資の失敗例を3つ挙げました。失敗例を読むと「そんなことある?」と思いたくなりますが、実際に物件選びを始めると考えることが多くなってしまい、調査漏れが起こってしまいます。失敗例を読んで、ぜひ、ご自身の物件選びに活かしてください。
Aさんは新築のマンションを購入して賃貸事業を始めました。しかし、物件選びの際、地域の人口動態や経済状況を十分に調査せず、一見繁華街に見える場所のマンションを購入しました。しかし、選んだ場所は実は人口が減少傾向にあったため、思ったよりも空室期間が長くなり賃料収入が少なく、物件価格も下落してしまいました。
物件選びの際に地域の人口動態や開発具合の確認を怠ったのですね。
投資用であれ居住用であれマンションを購入する際は、地域の人口動態や経済状況の調査が求められます。物件価格が下落しない地域を選ぶには、その地域の将来の発展性や、地元の行政の計画などをチェックすると良いでしょう。一見、繁華街に見える場所でも、過去に都市開発がされたのか、これから都市開発が進むのかで将来の入居率が一変します。物件選びの際は、人口動態と行政の計画は確かめましょう。
Bさんは、築30年のマンションを購入し、リノベーション後に賃貸で貸し出すことにしました。入居者選びと管理に手間をかけなかったがゆえ、問題のある入居者が入居してしまうことに。その結果、家賃の未払いや修繕要望が多く発生し、結果的に賃料収入で利益を得るのが難しくなりました。
インバウンド需要が高まってきた現代では、入居者選びが重要となっています。信用情報のチェックはもちろん、過去の住歴や職歴、さらには人柄を見るための面接なども考慮に入れると良いでしょう。ご自身での入居者確認が難しい場合は、管理会社へ相談し、チェック強化してもらうなど対策を講じましょう。
また、トラブル防止のために、入居者とコミュニケーションをとっておくことも有効です。
昔、住んでいた賃貸マンションで、なぜか家賃の二重引き落としが起きたの。過払い分の家賃を銀行振込してもらったあと、オーナーさんから絵葉書が届いたわ!心優しいおじいちゃんオーナーだった!
Cさんは、築10年の中古マンションの一室を購入し、賃貸事業を始めることにしました。Cさんは物件価格と初期のリノベーション費用を計算し、ローンを組んで購入を決定しましたが、Cさんの資金計画には大きな問題がありました。
それは、5年後に行われる大規模修繕です。Cさんは修繕費用や長期的な維持費用を見積もりに含めていなかったのです。修繕費用はCさんの予想をはるかに超えるもので、資金難に陥りローンの返済が困難に…。その結果、マンション投資は失敗に終わり、大きな負債を抱えています。
資金の余裕を持つために、ローンの返済計画をしっかりと立て、物件の価格だけでなく、リノベーション費用や管理費、修繕積立金、長期的な修繕費用なども計算に入れ、資金計画を立てると良いでしょう。
購入しやすくするために修繕積立金を抑えて販売する物件が多いようです。ってことは、後から手出しが発生するって意味ですよ!
マンション投資のリスク
マンション投資には下記のような一定のリスクがあります。
1.価格下落のリスク
地域の人口動態、社会の経済状況、その他の外部要因により購入したマンションの価格が下がる可能性がある。
2.入居者のリスク
入居者が見つからない、あるいは入居者が途中で退去する可能性がある。空室になると賃料収入を得られなくなるため、投資費用の回収が難しい。
3.予期せぬ修繕費用が発生するリスク
マンションの維持管理に予期せぬ高額な修繕費用が発生する可能性がある。特に築15年、築30年を目前にしたマンションは修繕費用を積み立ててはいるものの、積立金だけでは賄えない場合もあり、手出しが発生することも考えられる。
投資用マンションではないのですが…
実際私の住むタワマンでは、積立金では修繕費用を賄えなかったので手出ししたんですよね。
こうしたリスクは単体で起こる場合もありますが、複合的に起こることが多く見受けられます。そのため「不動産投資はやめとけ!」と言われるのです。しっかりと学び、信頼できるパートナー(不動産会社や管理会社)と巡り合えれば回避できる場合もあります。
「不動産投資はやめとけ」と言われる理由等について書いた記事がありますので、気になる方はご参照ください。
マンション投資の損失を最小限に抑える方法
マンション投資で失敗した経験は次回に活かしたいところですが、マンション投資は額が大きいので、次回などと言っていられないでしょう。そこで、ここではマンション投資での損失を最小限にとどめる方法を紹介します。
徹底したリスク管理
リスク管理の一環として、物件の選び方や入居者管理、資金計画など、投資全体を通じての注意点をまとめたチェックリストを作成します。チェックリストにより、各ステップの注意点を見落とすことなく、リスクを最小限に抑えることができます。
チェックリストを用意すれば、複合的に絡み合う失敗リスクを対処できますね。
【物件選び】
- 地域の人口動態を調査し、人口減少のリスクを評価する
- 地域の経済状況を調査し、経済の停滞や衰退のリスクを評価する
- 物件の建築年や構造を確認し、耐久性やメンテナンスの必要性を評価する
- 物件の立地条件を確認し、アクセスの良さや周辺環境を評価する
【入居者管理】
- 入居者の背景チェックを行い、信頼性と安定した賃料支払い能力を評価する
- 入居者とのコミュニケーションルールを定め、問題が発生した際の対応策を準備する
- 入居者の長期滞在を促すための施策を考える
【資金計画】
- 予期せぬ修繕費用や長期的な維持費用を見積もりに含める
- ローンの返済計画を立て、資金の流れを把握する
- 投資後の緊急事態に備えて資金の余裕を確保する
【投資戦略】
- 自身の資金状況やリスク許容度、投資目標を明確にする
- 長期的な投資計画を立て、物件の選択や資金計画を戦略的に行う
- 市場の動向を定期的にチェックし、投資戦略を柔軟に見直す
投資戦略を立てる際には、自身の資金状況やリスク許容度、投資目標などを明確にすることが重要です。例えば、安定した賃料収入を得るのが目標であれば、人口が安定している地域の物件を選ぶ、あるいは新築のマンションを選ぶなどの戦略が考えられます。
一方、物件の価格上昇を見込んで資産価値を上げるのが目標であれば、開発が進んでいる地域や、都市部の中古マンションを選ぶなどの戦略が考えられます。
これらの戦略を立案する際には、不動産投資の勉強や経験者の話を聞くことに加え、自分自身の時間的余裕を作る必要もあるでしょう。また、投資戦略は一度立てたからといって固定的なものではなく、市場の動向や自身のライフスタイルの変化などに応じて柔軟に見直し、調整しましょう。
マンション投資は単に良い物件を見つけるだけではなく、良い物件をどのように管理し、運用するかがポイントです。そのため、投資戦略を立てるのみならず、しっかりと行い、定期的な見直しが重要です。
インバウンド需要に合った物件選び
不安定な世界経済と日本の円安で、現在日本はインバウンド需要に沸いていますよね。海外の方(特にアジア圏)は物件選びで風水を取り入れており、海の近くの土地を好む傾向にあるそうです。理由は「海は体内に溜まった厄を清め、良いエネルギーをあふれさせてくれるため」吉相とされているのだそう。
実際に豊洲では、アジア圏の方のタワマン購入が増えています。
日本人の物件の選び方とは違いますね!
こうしたインバウンド需要の特徴を知ったうえで物件を選ぶと、借り手の幅がより広がります。賃貸で貸し出すのも良し、マンション価値が上昇したタイミングで売却するのも良し!ということで、今後はインバウンド需要を軽視できなくなってくるでしょう。
マンション投資の失敗を避けるには目的と戦略を立てよう
- なぜマンション投資で利益を得たいのか
- その目的を達成するにはいくら必要なのか
- 短期(10年未満)/ 長期(10年以上)どちらで利益を得た方がいいのか
目的(何のために)と最終目標(いくら欲しい)を明確にすれば、目的・目標に合ったターゲット層が明確化され、ターゲットに合った物件購入ができるようになるでしょう。
マンション投資は賃貸が主流ですが、マンション価格が上昇している昨今、住んで売却して資産を築く方もいらっしゃいます。もし、投資の1つとして賃貸経営を考えているのであれば、『自分で住んで、売って売却益を得る』最大限リスクを抑えた方法も視野に入れてみてはいかがでしょうか。