東京タワマン市場の揺らぎ!購入検討者が分裂、生活コスト高が影響か?

東京の夜景
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AIアナウンサーによる音読

このコラムで伝えたいこと▼
①生活コスト上昇が影響し、住宅購入者が「今すぐ買う派」と「様子見派」に分かれている。
②短期売買にはリスクが高まっており、今は長期視点でのタワマン選びが重要。
③金利上昇・生活コスト・新築供給など、複合的な要因が「買い時」の判断を難しくしている。

ジャパンタイムズの10月17日の記事では、東京都心でのタワーマンション購入検討者の間に「買うべきか、待つべきか」の分裂が鮮明になっていると報じています。

生活コストの上昇が足かせとなる一方で、「価格がさらに上がるかも」という焦りから早期購入を決断する層も。

今、タワーマンション市場はどのような局面にあるのでしょうか。

目次

購入延期派と前倒し派、その背景

ブルームバーグ・インテリジェンス(Bloomberg Intelligence)の調査によると、東京都心で住宅購入を検討している人のうち、およそ3分の1が「購入を延期する」と答えており、同じく約3分の1が「予定より早く購入を検討する」と回答しています。

購入延期派が挙げる主な理由は、生活費・光熱費・税金などの上昇による家計への不安です。特に、タワーマンションのような高価格帯物件では、購入後の維持費・管理費・修繕積立金も重くのしかかるため慎重になる傾向があります。

一方で前倒し派は、「このまま価格が上がれば購入コストがさらに上がる」という強い焦りを持っています。つまり、現在の価格でも買っておかないと“買い遅れ”になる可能性を感じているのです。

ここから読み取れるのは、タワーマンション市場が“買いタイミングを巡る揺らぎ”に直面しているということ。価格が上がるかもしれないと思いながら、逆に家計の重荷を懸念して待つべきかという板挟みにあります。

投資としてタワマンを捉えている富裕層・経営者層にとっても、この「買う/待つ」の選択が簡単ではないことを示しています。

タワマン投資は今「買い時」か、それとも「様子見」か

この調査結果から、「今、タワーマンションを買うべきか」という問いに対し、明確な答えが見えにくくなっています。

価格上昇の期待と、家計負担・金利上昇リスクという両側面が揺れ動いているためです。

もし短期的に「価格上昇を狙ってすぐに売る」戦略を考えているなら、現在はリスクの高い局面といえます。なぜなら、購入時期を急ぐ前倒し層が価格を押し上げる反面、家計の重しとなる維持費・金利リスクが後退要因となる可能性があるからです。

一方、長期保有を前提とし、資産価値の維持・賃貸収益も視野に入れているなら、この“揺らぎ局面”こそが慎重に買いを検討すべきタイミングと言えます。

すなわち、価格上昇を完全に取りに行くというよりも、「土地・立地・ブランド力」によって資産価値が守られやすい物件をゆっくり探すフェーズです。

特にタワマン投資では、金利水準・修繕積立金の積み上がり・管理体制などが長期保有時の鍵を握るため、購入前にこれらを精査しておくことが重要です。

都心タワマンと郊外タワマン、どちらが有望か?

都心部のタワーマンションは、交通アクセス・ブランド・眺望・将来の地価上昇余地などメリットが大きく、富裕層・経営者・医者などの購買層に支持されやすい傾向があります。

しかし、こうした立地ゆえに価格も高く、金利・維持費上昇に対して脆弱になりやすいというリスクもあります。

一方で、郊外タワマンには価格が比較的抑えられているものもあり、購入へのハードルは低めです。とはいえ、賃貸需要や将来の地価上昇ポテンシャルという点では、都心と比べて優位性がやや劣る可能性があります。

今の市場状況を踏まえると、都心の“プレミアム物件”は資産価値維持という意味で検討対象になり得る一方で、エントリーユーザーや利回り重視の投資家には、郊外タワマンも選択肢に入ってくる局面です。

ただし、郊外物件投資では、賃貸ニーズが鈍化したり、交通インフラの変化で価値が揺らいだりする点に注意が必要です。

総じて言えば、都心・郊外問わず「購入検討時点の物件=ブランド・立地・管理体制・将来インフラの観点」での精査が、今ほど重要なタイミングはないと言えます。

金利・生活コスト・供給動向がタワマン投資に与える影響

まず金利の問題です。現在、日本では住宅ローン金利や長期資金のコストが下がってはいません。タワーマンション購入時に借入を活用するなら、金利上昇リスクを想定しておく必要があります。

キャッシュ購入が可能な富裕層であれば金利影響は薄くなりますが、レバレッジを使う投資家ほど慎重にすべきです。

次に生活コストの上昇です。上記の調査でも、家計負担の重さが購入検討を後ろ倒しにしている主因になっていました。タワーマンションは高額なだけに、光熱費・管理費・修繕積立金の上昇が相対的にインパクト大です。

さらに、供給・需給の観点も見逃せません。都心部では新築タワマンの供給が一定数見込まれるため、将来的には築浅供給が中古価格にプレッシャーをかける可能性があります。つまり、「待てばもっと選択肢が増える」可能性も出てくるということです。

これらの要因を総合すると、今のタワマン投資環境は“待ち”も“動き出し”もどちらも合理的という複雑な局面にあります。購入を検討するなら、金利固定の活用・購入後の総コストシミュレーション・物件の将来価値を慎重に検証することが不可欠です。

まとめ

今回の調査が示したのは、タワーマンション市場が「購入を急ぐべきか、待機するべきか」という選択の岐路に立っているという現実です。

今は、短期で価格上昇を狙うよりも、資産価値をじっくり維持できる物件を長期視点で探す方が賢明と言えるでしょう。購入検討者の皆様には、「立地・管理・コスト」の三点を軸に、冷静な判断をおすすめします。

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