北向き・高層階タワマンが注目株に!中古価格上昇を支える最新トレンドとは?

中古マンションのおすすめの方位
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南向きが好まれるという常識を覆しつつあるのが、昨今のタワーマンション市場です。しかし、最新の分析によると、中古マンションにおいて北向き・高層階の住戸が想定以上に資産価値を高めている傾向が明らかになりました。

本コラムでは、マーキュリー社のビッグデータをもとに、方位と階層が中古価格に与える影響を解説!

タワマン投資において「どこを買うべきか?」を、最新トレンドを踏まえて考察します。

階数帯別値上がり率
階数帯別値上がり率
目次

中古でこそ北向きが有利になる理由

19階建て以下の物件(タワーマンション以外)の所在階と方位別の値上がり率
19階建て以下の物件(タワーマンション以外)の所在階と方位別の値上がり率

新築マンション市場では依然として「南向きが好立地」とされています。分譲価格も南向きが高く設定され、販売資料でも一等地として紹介されがちです。

しかし、中古市場ではその常識が揺らいでいます。

マーキュリー社の調査(2016~2024年)によると、19階以下の一般的なマンションでは北向き・北西向き・北東向きの住戸の価格上昇率が最も高く、逆に真南向きの住戸は最も上昇率が低いという結果に。なぜこのような現象が起きるのでしょうか。

一因は「新築時の価格設定」です。南向きは高値で販売されるため、中古市場では割安感が薄くなります。一方、北向きは新築時の価格が抑えられ、売却時の伸びしろがあるため、資産価値が上がりやすい傾向にあります。

また、近年の建築技術の進歩により、北向き住戸でも十分な採光・断熱性能を確保できるようになっており、住み心地へのマイナス要素が薄まっていることも要因の一つです。これらの点を踏まえると、「北向きは不人気」という先入観こそ、投資チャンスを見逃す原因になり得るのです。

タワマン低層階でも“北向き優位”が拡大中

20階建て以上の物件(タワーマンション)に限定して19階以下の住戸の所在階と方位別の平均値上がり率
20階建て以上の物件(タワーマンション)に限定して19階以下の住戸の所在階と方位別の平均値上がり率

タワーマンションの低層(19階以下)においても、北向きの住戸が優位という傾向が見られます。特に20階建て以上のタワーマンションに絞ると、北向きと南向きの価格上昇率の差は約15ポイントにも及ぶという調査結果が出ています。

これは、タワマンの新築分譲時に南向きがプレミアム価格で販売される一方、北向きは抑えた価格で販売される構造が背景にあります。結果として、中古市場では北向き住戸がコストパフォーマンスの高さを評価されやすいという構図が生まれています。

さらに、湾岸エリアや都心部では、低層階でも眺望や日当たりがある程度確保されるため、北向きだからといって著しく不利になるわけではありません。住戸位置や周辺環境を冷静に見極めることで、思わぬ掘り出し物件を見つけられる可能性もあります。

不動産投資家にとって、低層階の北向き住戸は「安く仕入れて高く売る」戦略にマッチしやすく、出口戦略まで含めたポートフォリオ設計の中で注目すべきセグメントといえるでしょう。

中層階(20〜39階)でも北向きが強い

住戸の20階から39階までの所在階と方位別の値上がり率
住戸の20階から39階までの所在階と方位別の値上がり率

タワマンの中層階(20~39階)においても、北向き住戸の価格上昇率が南向きを上回るという結果が出ています。その差は、調査によると最大15ポイント前後。中層階というと眺望や日照が確保される層として、従来は南向きが有利とされていましたが、実際には投資利回りの観点で北向きの方が優れている可能性が高いのです。

その理由は、都心や湾岸の再開発エリアでは、北向きでも視界が開けているケースが多く、また遮る建物が少ないために夜景やシティビューが楽しめる住戸も多いという点にあります。こうした住戸はファミリー層というよりも、単身・DINKsなど都市生活に価値を置く層に人気で、賃貸需要も安定しています。

また、北向き中層階は新築価格が抑えられるため、売却時におけるキャピタルゲインを狙いやすいという特性があります。これにより、収益重視の投資家にとっては、「割安で仕込み、将来的な値上がり益を狙う」という王道の投資スタイルにフィットします。

最上階層では「方位より希少性」が価値に

住戸の40階以上の所在階と方位別の値上がり率を
住戸の40階以上の所在階と方位別の値上がり率を

40階以上の超高層ゾーンにおいては、方位による価格差は薄まり、むしろ「階数プレミアム」としての希少性が重視される傾向があります。調査結果でも、北向きと南向きの価格差は顕著ではなく、どちらの方位であっても、住戸自体の条件や物件全体のブランド力が価格に強く影響を及ぼしていることが分かります。

例えば、都心の超高層タワーにおいては、眺望や静音性、独立性といった付加価値が評価されやすく、最上階住戸であれば方位にかかわらず高値での成約実績が報告されています。こうした住戸は、資産としての保有価値が高く、長期保有目的の富裕層にとって理想的な投資対象と言えるでしょう。

また、最近では海外投資家の動きも活発化しており、希少性の高い上層階住戸は安定した需要が見込めます。特に円安基調が続く局面では、外貨建ての購入が有利となり、日本の高層タワマンが“安全資産”として再評価される動きも見逃せません。

まとめ

これまで「南向き至上主義」が定説だったタワーマンション市場に、明確な転換点が訪れています。方位や階層を冷静に分析することで、価格の上昇余地を見極めることが可能です。

特に北向き・中低層階における資産価値の成長性は、今後の不動産投資戦略において注視すべきポイントです。

戦略的に“北”を選ぶ視点が、次の成功を導くカギとなるかもしれません。

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