タワマンは安くならない!不動産コンサルタント・沖有人さんのコラムをわかりやすく解説!

タワーマンションの価格は安くならない 沖有人
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「タワーマンションはそのうち暴落するんじゃない!?」と期待している人がいるかもしれません。

でも、現実はそう簡単ではないようですよ。不動産コンサルタントの沖有人さんが書かれた「タワマンはいつになったら安くなるのか」というコラムでは、タワマンの価格は今後も下がりにくいと断言。

タワーマンションの価格がなぜ高騰し続けるのか、その背景が詳しく解説されています。

この記事では、沖さんのコラムの内容をかみ砕いて、誰にでもわかりやすく解説します。

目次

タワマンの建築コストはなぜ上がり続けるのか?

タワーマンションがどんどん高くなっている理由のひとつが、建築コストの上昇です。

建築単価が急上昇中!

近年、建築コストは驚くほど上がっています。特に、鉄筋コンクリート造の建物は影響が大きく、大手の建設会社(ゼネコン)でさえ赤字になってしまうほどです。その原因は以下のようなものです。

  • 資材費の高騰:コンクリートや鉄筋などの建築資材が値上がり
  • 人件費の上昇:職人さんの確保が難しく、給料が上がっている
  • 工期の長期化:タワーマンションは高さがある分、建設に時間がかかる

例えば、タワマンは「1フロア建設するのに1ヶ月かかる」と言われることもあります。50階建てなら50ヶ月(約4年)かかる計算です。この間に資材費や人件費がさらに上がってしまうこともあり、ゼネコンにとっては大きなリスクとなっています。

そのため、新しく建てるタワマンの見積もりはどんどん高くなっており、新築価格が上昇するのは避けられない状況になっています。

新築タワマンが高いと、中古タワマンも高くなる

新築のタワーマンションが高くなると、その影響で中古タワマンの価格も上昇します。

再調達価格とは?

不動産の世界では「再調達価格」という考え方があります。これは、「もし今まったく同じ建物を建て直すとしたら、いくらかかるのか?」を示すものです。

タワマンの場合、この再調達価格がどんどん上がっているため、築年数が経った中古タワマンであっても、価格が大幅に下がることは考えにくいのです。

住宅ローンの影響も

タワーマンションの購入には住宅ローンを利用する人が多いですが、銀行は「中古マンションの取引価格」や「再調達価格」を元に評価を決めます。そのため、新築価格が上がると、銀行の評価額も上がり、ローンの借入額も増えやすくなります。これが、タワーマンションの価格をさらに押し上げる要因のひとつになっています。

すでにタワマンを買った人のローンと売却の現実

タワマンをすでに購入した人にとって、住宅ローンの返済や売却の問題も重要です。

頭金ゼロのフルローンが増えている

最近のタワマン購入者の約6割が、頭金ゼロで住宅ローンを組んでいます。これは「フルローン」と呼ばれ、物件価格の全額をローンで支払う形です。

しかし、この方法だと、ある程度ローンを返済しない限り「売却価格がローン残高を下回る」リスクがあります。つまり、「売りたいけどローンが残っていて売れない」状態になりやすいのです。

個人売主は高値で売りたがる

デベロッパー(開発業者)は大量の部屋を売るため、最高値では売りません。しかし、個人の売主は「少しでも高く売りたい」と思う傾向があります。そのため、仲介業者を選ぶ基準が「一番高い査定額を出した会社」になりがちです。

これは「相場より高額な売出価格」を生む要因のひとつになり、中古タワマンの価格を押し上げる結果になります。

高額な成約事例が相場を引き上げる?

タワーマンションの価格が上がるもうひとつの理由として、「アンカリング効果」があります。

アンカリング効果とは、最初に提示された数字や情報(アンカー)が、その後の判断や意思決定に影響を与える心理効果のことです。

例えば、商品の価格が「通常10,000円のところ、今なら5,000円!」と表示されると、10,000円が基準(アンカー)となり、5,000円が安く感じられるというものです。

パークコート浜離宮ザタワーの事例

パークコート浜離宮ザタワー

沖さんのコラムでは「パークコート浜離宮ザタワー」の例が紹介されています。

  • 70㎡台の住戸が「坪1800万円(約4億円)」で売り出されている
  • 以前の成約価格は2億円台だった
  • 外国人投資家が4億2500万円で購入した事例がデータベースに登録された
  • これを見た仲介業者が「4億円で売りませんか?」と他の売主に営業をかける
  • これにより、相場が一気に引き上げられる

このように、一部の高額な取引事例が出ると、それを基準にした価格設定が行われ、全体の相場が上がることがあります。

これは心理学で「アンカリング効果」と呼ばれ、人は最初に見た価格を基準に判断する傾向があるためです。

タワマンの価格が下がる可能性はあるのか?

「タワマンが暴落する」という意見もありますが、現実的には以下の理由で下がりにくいと考えられます。

  1. 建築コストの上昇(新築価格が高いため、中古も下がりにくい)
  2. 再調達価格の影響(同じ建物を建てるコストが上がると中古価格も維持される)
  3. 住宅ローンの影響(銀行の評価が上がると、借入額が増え、購入者が増える)
  4. アンカリング効果(高額な成約事例があると、売主も強気になる)

まとめ:タワマンは高嶺の花になりつつある

沖有人さんのコラムをもとに解説してきましたが、タワマンの価格は今後も下がりにくいと考えられます。特に、建築コストの上昇や住宅ローンの評価額の影響で、新築・中古ともに価格が維持されやすい状況です。

「暴落するまで待とう」と思っていると、逆に買えなくなってしまう可能性もあります。タワーマンション購入を考えている方は、市場の動向をしっかり見極めることが大切ですね。

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