ここ数年、首都圏や関西圏で中古マンションの価格が急上昇していました。しかし、2024年終わりに差し掛かるタイミングで、勢いに陰りが見え始めました。
今回は、日本経済新聞の記事(中古マンション、上昇相場に陰り)から最新の市場動向をピックアップし、現状を解説していきます。これから中古マンションの購入を検討している方や、売却を考えているオーナーの皆さんにとって必見の内容です。
首都圏・関西圏で進む「中古マンション価格上昇の停滞」
首都圏や関西圏の中古マンション市場では、価格の上昇が鈍化しつつあります。
特に、2023年から2024年にかけて価格が急上昇した一方、直近では「軟調」相場への転換が見られるようになりました。
記事によれば、価格上昇に停滞の兆しを見せ始めたのは埼玉県をはじめとする15都県で、1年前に比べ3倍の都市が停滞を見せ始めたと言います。
なお、宮城県や愛知県など大都市圏エリアでも価格調整が進んでおり、取引が減少している状況です。物件によっては、1割ほど相場が下がっているところもあり、全国でみると状況が変わってきています。
価格減速の背景にある要因
現在、中古マンション市場では、金利上昇懸念と物価高が大きな影響を及ぼしています。
まず、住宅ローン金利の上昇懸念が購入意欲が低下させ、結果として市場全体の取引量が減少しています。実際、2024年8月に日銀は政策金利を0.25%に引き上げ、各銀行は金利の引き上げをおこないました。金利上昇により支払い負担額が増す恐れから購入をためらう層が増え、中古マンションの売買が鈍化しています。これは価格の軟調相場をさらに進める要因となっています。
加えて、物価上昇と景気の不透明感も購買行動に影響を与えています。物価高による生活費の増加や、経済の先行きが見通せない状況が消費者の購買力を低下させ、マンション購入を控える動きを強めています。
また、これまで東京に引っ張られて近郊エリアの中古マンションも価格上昇し、手の届く金額でなくなってしまったことも大きな要因ですね。
東京23区の中古マンション市場の価格
では、東京はどうかというと、まだ下がる心配はない様子。
9月の平均売り出し価格は前年比+42%と上昇しています。東京23区の上昇傾向が続く理由は、富裕層や海外投資家が投資物件として購入しているから。
今後もこの傾向は強く、地方との差が広がっていきそうです。