高級物件として人気のタワマンでも、壁が薄く騒音問題に悩む住人が増えています。実際、隣の生活音や上階からの足音が聞こえることも少なくありません。
本記事では、タワマンで特に問題となる4つの騒音原因と、物件選びのチェックポイントを紹介しています。これからタワマンの購入や賃貸を考えている方はご参考ください。騒音トラブルで資産価値が下がるタワマンにあたらないよう、知識をつけていきましょう!
タワマンの壁が薄いと言われて騒音問題に発展する主な4つの原因
「床」「壁」「立地」「高さ」による騒音は、多くのタワマンで問題視されています。ここでは、その4つの主な騒音原因を詳しく見ていきます。
騒音の原因1:床に使われるボイドスラブや二重床
タワマンの多くは、建物全体を軽量化するために「ボイドスラブ」や「二重床」といった構造が採用されています。これにより、天井に柱や梁がない広い空間を実現し、バリアフリー設計が可能になりますが、遮音性の面では不利な部分があります。
ボイドスラブとは、スラブ内に空洞がある構造で、これが音を反響させやすく、足音や物を落とす音が階下に響きやすいと言われています。また、二重床もスラブと床材の間に空気層があるため、この空気層が音を共鳴させ、音が響く原因となる「太鼓現象」が発生しやすいのです。
騒音の原因2:軽量化された壁材の遮音性
タワマンでは、軽量化のために「乾式壁」と呼ばれる石膏ボードを使用することが一般的です。
隣戸との間に設置される乾式壁は、厚さ150mm程度で吸音・断熱材が入っているものの、コンクリートに比べると遮音性は低く、隣の生活音が伝わりやすいです。たとえば、掃除機を壁にぶつけた音や、ドアを閉める際の衝撃音が響きやすいという問題があります。
騒音の原因3:利便性が高い立地による外部騒音
タワマンは駅近などの利便性の高い場所に建てられることが多く、周囲の交通量が多い場合、電車や車、緊急車両のサイレンなどの外部騒音に悩まされることがあります。特に、深夜や早朝でも交通音が聞こえる環境では、生活リズムに悪影響を与えることもあります。
騒音の原因4:高層階に響く外部からの音
一般的に、音は上昇する特性があるため、タワマンの高層階ほど、地上の音がよく聞こえる傾向があります。例えば、27階や40階などの非常に高い階層では、地上からの車の音や通行人の声が意外なほど響くことがあります。また、タワマンの高層階では、飛行機が低空飛行するルート上にある場合、飛行機の騒音も大きな問題となることがあります。
壁の薄いタワマンにあたらないための見極め方
タワマンの騒音問題に対処するためには、物件選びの際に遮音性の高い建物構造を見極めることが重要です。ここでは、遮音性を重視した選び方のポイントを紹介します。
スラブ厚の確認
遮音性を確保するためには、スラブ(床に使われるコンクリート板)の厚さが非常に重要です。特に、ボイドスラブや二重床の場合は、スラブ厚が250~300mm程度あると遮音性が高いとされています。また、スラブが厚いほど、子供の足音や椅子を引く音などの重量衝撃音を効果的に抑えることができます。物件を選ぶ際には、パンフレットや仕様書でスラブ厚を確認しましょう。
壁の遮音性能(TLD値)の確認
タワマンの壁材としてよく使われる乾式壁には、遮音性能を示す「TLD値」という指標があります。TLD値が56~60程度の壁材を使用している場合は、隣の生活音が比較的聞こえにくいとされています。物件を選ぶ際には、TLD値を参考にして、遮音性が高い壁材を選ぶことが大切です。
サッシの等級を確認
タワマンが駅近や交通量の多い道路沿いにある場合、外部の騒音を遮断するために、サッシの遮音等級を確認することが重要です。サッシの等級はT1~T4に分類され、T4等級は最も遮音性が高く、40dBの騒音を遮断する性能があります。T3等級でも35dBの遮音効果があるため、幹線道路沿いや駅前の物件では、T3以上のサッシが採用されているかを確認しましょう。
ちなみに、40dBとは図書館や静かな住宅地のお昼時の音の大きさを表します。
35dBは、ささやき声くらいと言われているため、T3以上のサッシが良いですね!
まとめ
タワマンの騒音問題は、床、壁、立地、高さといった要因が絡み合っていますが、遮音性の高い構造を持つ物件を選ぶことで、快適な住環境を確保することができます。物件を購入または賃貸する際は、スラブ厚や壁材、サッシの等級をしっかりと確認し、騒音対策が施されたタワマンを選ぶことが重要です。
- スラブ厚250~300mm程度
- TLD値56~60の壁材
- T3~T4等級のサッシ
上記を目安に物件を探してみてください!