ローン返済中の家を売るのは可能だが「残債完済」が条件！査定額が残高を下回ったときの対処法紹介

「地価が上昇したから家を売りたい」「子どもが大きくなって手狭になったので住み替えたい」などと住宅ローンを組んで購入した家を売却したいと考える場面はあると思います。

家は自分の名義ですが、ローンが残っている間は銀行に抵当権が設定されており、この抵当権はローンを全額返済するまで解除されません。そのため、抵当権が付いている間は自由に家を売ることができないと思われがちです。

しかし、実際には住宅ローンが残っていても不動産の売却は可能です。ただし、売却には条件があります。それは、売却と同時にローンを完済すること。売却代金でローンを完済できれば、家を売却することができます。逆に言うと、ローンを完済できない場合は売却できないということになります。

このように、住宅ローンが残っている家でも条件を満たせば売却が可能です。ローンの残高と売却価格をよく確認し、適切なタイミングで売却を検討することが重要です。今回は住宅ローンが残っている家の売り方と注意点を解説します。

ローン返済中の家を売る際に売却査定額がローン残高を下回ったときの対処法

例えば、あなたの家のローン残高が3,000万円で、売却査定額が2,500万円だったとします。この場合、売却しても500万円のローンが残ってしまいます。このようなケースを「オーバーローン」と言います。

この場合、残ったローン金額500万円をどのようにして支払うかが課題となりますが、以下のような方法で対処していきます。

1．手持ち資金で補う

貯金などの手持ち資金で不足分を補う対処方法です。例えば、貯金から500万円を用意してローンを完済すれば、売却は問題なく進められます。しかし自己資金で500万円を用意できなければ、下記の「2」の対処方法を取らなければなりません。

2．住み替えローンを利用する

自己資金がない場合は、住み替えローンを利用します。これは、現在の住宅ローンと新たに購入する家のローンを一本化して借りる方法です。しかし、このローンは審査が厳しく、また売却と購入を同日に行う必要があるなど、条件が厳しい点には注意が必要です。

家を売る際にかかる諸費用や期間にも注意！

家を売却する際には、不動産会社や司法書士へ支払う費用が発生します。仲介手数料、抵当権抹消費用と呼ばれ、これらの金額を含めてローン残高以上で売却する必要があります。

もし、売却査定額がローン残高を下回れば、「ローン残高＋諸費用」の支出となるので、売却時にもしっかりとした資金計画が必要です。売却時の費用については下記記事で詳しく解説しています。

また、オーバーローンでの不動産売却は、売却価格を高く設定することが必要ですが、現実的な価格設定を行うためには不動産会社の協力が不可欠です。売れないと困る金額で売却活動を行う場合、年単位で売却時間がかかることもあります。

家の売却を急いでいなければ、オーバーローンが解消されるまで住宅ローンを払って住み続け、売却を待つことも1つの選択肢です。

急ぎで売却必須であれば任意売却を視野に入れる

どうしてもローンを完済できず、家を売却しなければならない場合、最悪の手段として「任意売却」があります。

これは、銀行の許可を得て家を競売にかけて売却し、残ったローンを引き続き支払う方法です。任意売却は、信用情報に傷がつくリスクがあるだけでなく、売却価格が相場の8割程度になることもあるため、慎重に検討する必要があります。

まとめ

住宅ローンが残っている状態で不動産を売却することは可能ですが、ローン残高を完済することが条件になります。オーバーローンの対策や任意売却のリスクを理解し、適切な売却タイミングと戦略を立てることが重要です。

不動産会社と連携し、しっかりとした販売計画を持って進めることで、スムーズな売却を目指せるでしょう。