インフレ時の借金は有利!金利上昇時に知っておくべき住宅ローンの本質

インフレ時の借金は有利!金利上昇時に知っておくべき住宅ローンの本質
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近年、インフレの進行や金利の上昇が話題となり、これからマイホームを購入しようと考えている多くの人々が不安を感じています。しかし、インフレと借金には意外な関係があり、この関係を正しく理解すれば、金利上昇時に住宅ローンを利用することが有利になる可能性があります。

本記事では、インフレ時代における借金のメリットや、金利上昇がもたらす影響について分かりやすく解説し、賢いマイホーム購入のタイミングを見極めるためのヒントをお伝えします。

目次

インフレが進行すると借金の額面は変わらないが借金の価値が下がる

インフレとは、物価が上昇し、貨幣の価値が下がる現象を指します。この状況では、現金の価値が目減りする一方で、資産や借金の額面は変わりません。つまり、インフレが進行すると、借金の実質的な価値も減少するため、借金をしている人にとっては有利な状況が生まれます。例えば、5000万円の住宅ローンを抱えている場合、インフレが進行すると、その返済額の実質的な負担が軽減されるのです。

もう少し詳しく解説すると...

5,000万円は、大きな価値を持っていますが、インフレが進行すると、その5,000万円で買える物やサービスの量が減少します。これが「お金の価値が下がる」ということです。

一方、住宅ローンの返済額は、固定金利で契約した場合、契約時に決めた額が変わることはありません。つまり、ローンの返済額として5,000万円を借りた場合、毎月の返済額も契約時の金額で固定されています。これが「額面は変わらない」という状態です。

インフレが進むと、お金の価値が下がるため、将来的には同じ5,000万円でも、当初と比べて実質的な価値が低くなります。これにより、固定された住宅ローンの返済額の実質的な負担が軽減されることになります。

たとえば、インフレが年率2%で進行し、10年間続いた場合、単純計算で約20%お金の価値が下がります。これにより、10年後の5,000万円の価値は、現在の4,000万円程度と同じような実質的価値になります。
計算式:5,000万円×(100%-20%)=4,000万円

その結果、ローンの残額が同じ5,000万円でも、その価値が下がるため、返済している額が当初の負担よりも軽く感じられるのです。言い換えると、インフレが進むことで、実質的に返済しなければならない金額が少なくなるため、借金を抱えている人にとってはインフレが有利に働くことになります。

インフレ時の借金は怖いが、金利上昇時に住宅ローンを組むメリットはある

まず、金利が上昇すると、変動金利で住宅ローンを借りている場合、毎月の返済額が増える可能性があります。これは、借りたお金に対する利息が高くなるためです。一見すると、金利が上がることでローンの返済がより負担になるように思われます。

しかし、ここで注目すべきは、金利上昇がしばしばインフレと密接に関連している点です。先ほどもお伝えしましたが、インフレとは、物価が上昇し、通貨の価値が下がる現象。インフレが進むと、中央銀行(日本では日銀)は、インフレを抑制するために政策金利を引き上げます。これが市場の金利上昇につながり、住宅ローンの金利も上がるというわけです。

インフレが進行すると、お金の価値が下がります。つまり、今100万円の価値があるお金でも、インフレが進むとその100万円で買えるものが減り、実質的な価値が減少します。一方で、住宅ローンの借入金額(残高)は固定されています。たとえば、5,000万円のローンを借りた場合、その額面は変わりません。しかし、インフレが進むと、5,000万円の実質的な価値は目減りするため、将来的にはローンの返済が「割安」になるのです。

金利が上昇し始める初期段階で不動産を購入し、ローンを組むと、将来的にインフレが進んだ際に借金の実質的な負担が減る効果が期待できます。つまり、インフレによってお金の価値が下がる一方、固定されたローンの返済額は変わらないため、実質的に少ない負担で資産(不動産)を手に入れることができる可能性があるということです。

賃貸か購入か迷ったときに考えるべきこと

マイホームを購入するか、賃貸に住み続けるかは、個人のライフスタイルや経済状況によって異なります。しかし、インフレが進行している場合、早めに住宅を購入してローンを組むことで、インフレによる恩恵を受けやすくなります。

とはいえ、ここで解説した内容は、賃金が上昇している場合の話です。

「賃金が上昇するかしないか」は勤め先によって異なるため、本記事では一般的なインフレと借金の関係について解説しました。数年前、食品のステルス値上げ(内容量を減らして値段は据え置きする値上げ方法)が話題となりましたが、このまま賃金が上がらなければ、賃金のステルス値下げとなってしまうでしょう。

「賃金が上昇している、する予定がある」という方は、インフレと借金の関係を利用してマイホームを購入するのも1つの手です。「賃金が上昇が見込めない」という方はインフレによる恩恵を受けられず、金利上昇による家計圧迫が懸念されるので、賃貸に住み続けるか、もしくは土地値ほどで購入できる中古物件を選ぶなどしてインフレを乗り切っていただきたいと思います。

インフレが進む中で賃貸に住み続ける場合の注意点は、将来的に家賃が上昇するリスクがあるということです。金利が上昇し始めた今の段階に、管理会社へ値上げの可能性があるのかどうか確認しておくのもよいでしょう。

インフレは「お金の価値」も「借金の価値」も下がる

インフレは、お金の価値が下がることで、手元にある現金の実質的な価値が目減りします。しかし、それと同時に、借金の価値も同様に下がるため、インフレが進行する中で住宅ローンを抱えている人にとっては、返済負担が実質的に軽減されるという有利な状況が生まれます。

つまり、インフレ時代においては、現金を持ち続けるよりも、早めに資産を購入し、借金を活用することで、将来的に得をする可能性が高まるのです。インフレがもたらすこの特性を理解するとともに、自分が賃金上昇が見込める会社に勤めているかどうかも考え、マイホーム購入のタイミングを見極めてみてください。

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