住宅ローンを組む際には、どのようにして最適な商品を選ぶべきか、審査のプロセスはどのように進むのか、そしてどのような諸経費がかかるのかなど、多くの疑問や悩みを抱えることが少なくありません。
本記事では、住宅ローンに関する基本的な知識や注意点を分かりやすく解説します。
住宅ローンの定義と適用範囲
住宅ローンには、「居住用」「親族用」「セカンドハウス用」の3つがあります。一般的に住宅ローンと呼ばれているのは、居住用のローンです。
居住用ローンは1世帯につき1つと決まっており、複数借りられません。しかし、二拠点生活で住居が必要になる場合は、セカンドハウス用のローンを利用します。
なお、居住用ローンは新築住宅だけでなく、中古物件やマンション、土地の購入にも適用されます。
居住用ローン:賃貸目的の物件や別荘、セカンドハウスには利用不可
親族用ローン:自身の両親や子どもが住む家を購入する際に利用可能
セカンドハウスローン:別荘や二拠点生活の住宅に利用可能
また、住宅ローンを借りるには審査が入り、「安定的かつ継続的な収入があること」が求められます。就職して間もない方や、個人事業主、立ち上げたばかりの企業経営者は審査が通らない場合があります。
住宅ローンの借入先と種類
住宅ローンの借入先は大きく民間融資と公的融資の2つに分けられます。民間融資には、銀行ローンや信用金庫、フラット35といった住宅専門の金融機関があります。一方、公的融資とは、財形住宅融資や自治体融資です。公的融資は自治体や勤め先によって、取り扱いの有無や条件が異なります。
近年では、ネット銀行の住宅ローン商品も非常に人気があり、低金利が魅力です。公的融資と比較して民間融資は手続きが簡単なため、多くの人々が利用しています。
ネット銀行の特徴
ネット銀行は、人件費を削り、全ての手続きをオンラインで完結できるため低金利の商品を提供しています。
ネットで全て完結できるため、手続きが迅速で効率的です。しかし、初めて住宅を購入する人にとっては、必要書類について分からなかったり、手続きが複雑に感じたりすることもあるかもしれません。
そこで、ネット銀行の商品を取り扱う住宅ショップ(店舗)を探して利用すると安心でしょう。
住宅ローンの審査項目とプロセス
住宅ローンの審査は、事前審査と本審査の2段階で行われます。
事前審査では、申請者の返済能力(年収、物件価格、他の借入状況など)が評価されます。この段階で申請者の返済比率が確認され、手取り収入に対して返済額が適切かどうかが判断されます。
住宅ローンの返済比率は、手取り額の20%が適切と言われています。金融機関が提示する30~35%という比率は「借入限度額」です。家計の収支を把握し、自分に合った返済額を設定するようにしましょう。
本審査では、事前審査の内容を再確認し、物件の担保価値や申請者の詳細な状況が評価されます。具体的には下記の通りです。
- 借入時の年齢
- 完済時の年齢
- 勤続年数
- 雇用形態
- 担保評価
- 連帯保証人
- 健康状態
会社によって審査期間は異なりますが、早い場合は午前中に事前審査を出せば夕方には結果が出ることもあります。住宅ローンの審査期間は昔に比べて短くなっており、これも今の特徴の1つです。
さすがに本審査は1日では終わりませんが、1週間程度で結果が出ることが多いです。
事前審査が早く終わるため、申請者は結果を待つ不安を軽減できます。
なお、本審査での注意点として、事前審査で申告した内容はなるべく変更せず、本審査に進みましょう。途中で申告内容を変えてしまうと本審査で通らない場合があります。
住宅ローンにかかる諸経費と住宅ローン申請時の注意点
住宅ローンには手数料、登記費用、保険代、印紙代などの諸経費がかかります。特に手数料は金融機関によって異なるため、事前にしっかり確認することが重要です。
また、審査過程での申請内容の変更がないよう注意が必要です。事前審査と本審査の内容が異なる場合、審査が通らなくなることもありますので、慎重に手続きを進めましょう。
住宅ローンの仕組みを理解することでコストを抑えられる
物件を購入する際、不動産業者から住宅ローン会社を紹介される場合もありますが、紹介された住宅ローン会社だけに限らず、ご自身で選択することが非常に重要です。
住宅ローンは、会社によっても商品によってもさまざまなので、金利や返済期間など自分に最適なものを選ぶようにしましょう。